今日13時半、焼笹橋に戻ってきた(約20時間振り…)。
昨日のリベンジである。天気予報によると今日も夕方から崩れるらしい。が、少なくとも着いた時点の空模様は昨日とは打って変わって、ほとんど快晴といって良いレベルである。
ボクは最近、とにかく釣れさえすればよい、という気持ちが以前より少なくなってはいる。が、今日は違う。先週末までの数週間全くサカナにめぐり逢えず、やっと臨んだ昨日は川を目前にして雨に釣りを阻まれ泣く泣く帰ったのだ。今日こそは、どんな手を使ってでも釣ってやる。
焼笹橋の上にある駐車場にクルマを置いて、早速川の様子を見に行く。昨日より増水してはいるが濁りはない。これなら大丈夫だ。
まだ乾ききっていないウェーダーの上にウェーディングシューズを履き、ベストを身に付け、遊漁券を結ぶ。雨が降ってこないうちに、という気持ちから、自然と動作が素早くなっている。
ふと、もし今から突然雨が降ってきたらホントにおかしくなるかも知れない、と思う。こんなに釣りがしたい、釣りが出来て嬉しいと思ったのは久し振りである。…頑張ってね、と送り出してくれたヨメさんに感謝。彼女はことボクの釣りに関して非常に理解があり、また寛容である。が、共働きの我が家で土日ともボクだけ釣りというのは、いくらなんでも…と思う。
今日サカナを釣ること、これは彼女の好意のためにも大切である。
ロッドケースからロッドを取り出す。スペアで使っている2ピースの4番ロッドである。このロッドもSageであるが、こちらは使いにくいったらない。VPSというシリーズのロッドで、3番に比べ圧倒的にファストアクション。決してこのロッドが悪い訳ではなく、この2つの落差にまだ全然なじめていないのだ。
ともあれ、贅沢は言わない。今日釣りが出来る、それだけで充分じゃないか。
ロッドケースに入ったロッドの袋を取り出しながら、しかしボクはその触感に多少違和感を感じた。いつもと何かが違う気がする。袋の紐を解き、ロッドの頭を出してみる。あれ、1本しかない…2ピースのロッドで、そんなバカな…。さらに袋を引き下げる。何だ、あるじゃないか。一瞬ホッとする…でも何で長さが違…
へ?
ロッドティップの部分が消失している。…ティップは、ロッドティップはどこ行った…? 一瞬、2週間前の悪夢が脳裏をよぎる。…んなバカな。まじまじと見つめるが、目の前の物体の状況が頭に入ってこない。何故、ロッドティップの部分が見当たらないのか? 修理に出しているロッドが返ってきてもいないというのに…そんなバカな。
しかし、事態は単純明快だった。ロッドティップから10cm程の部分がポキンと折れているだけだ。
しばらく声が出なかった。昨日、往復4時間かけて250km走った。今日、同じ道をまた来た。そして助手席には折り目一つない2日間の遊漁券が2枚並んでいる。ボクは天を仰いだ。
頭が真っ白のまま、ウェーダーを脱ぎ、荷物を詰め込んでクルマのエンジンを掛ける。このまま帰るのは全く気が進まないが、スペアのスペアは持ってきていない以上仕方がない。…しかし何故折れたのか、全く見当がつかない。あるとすれば、クルマが曲がってロッドがその遠心力で飛ばされた時に折れたのだろうか? しかしケースに入っているロッドがそんなことで折れるとは到底思えない。…全く不可解である。
しかし悔しい。120kmもの道のりを2日間で2度もただ往復するなどあり得るだろうか? 何かしないとあまりに勿体ない。でもこんなところで何ができるだろう?
ボクは川沿いの道の途中でクルマを停めた。煙草をくわえて考えてみる。…折れたロッドで釣りができるか試してみようか? ええい、どうせ時間はある。この際、やってみよう。
ボクはその場所で、もう一度着替えを始めた。下にちょうどいい小さなプールがあった。よし、1時間だけあそこで試してみよう。
折れたロッドでのキャスティングは予想以上にヒドいものだった。しかし、ボクの予想をより大きく裏切ったのは、キャスティングなど殆ど必要のないその小さなプールの方だった。ボクは根羽川で鍛えられたおかけでアウトリガーの釣りに慣れてはいるが、始めて1時間、そのプールだけで32cmを筆頭に5匹のイワナ、加えてお約束の泣き尺ウグイまで釣れるとはまさか思っていなかった。心残りは、折れたロッドのせいで尺イワナの引きが全く味気ないものだったことである。
おかしな一日。帰り道を運転しながら、今日一日を振り返って改めて思った。ロッドの性能と釣果とは何の関係もない、という当たり前の事実だけは再確認できた。
で、しかしこのロッド、果たして直すべきなんだろうか?

(↑は24cm。尺は撮影中に逃亡に成功……泣)
最近のコメント