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2006年9月 1日 (金)

「Bozemannらしく…」

知床遠征は波乱で始まった。
今回、千歳経由で女満別に行くフライトとしていたのだが、千歳のラウンジで乗り継ぎを待っていると、乗るはずの便が欠航とのアナウンスが入った。このまま千歳に宿泊となると大幅に計画が狂ってしまう。これはどうにかしなくてはいけない、電車かレンタカーか…、と気の重くなる選択肢を考え始めた時、次の便は飛ぶと連絡があった。…結果として千歳空港に6時間足止めを食うことになったが、不幸中の幸いと考えるべきだろう。

…だが波乱はこれだけでは終わらなかった。

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AM2:00、車でアクセス可能な知床半島の最先端となる相泊漁港に向けてウトロのホテルを出発、相泊から小型のボートで波間を木の葉のように揺られ「モイレウシ」という名のポイントに着いたのはAM4:30だった。ここに着いた14名のうちルアーが12名、残り2名がボクとヨメである。

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結論から先に言うと、計6時間に渡って竿を振り続けたにもかかわらず、ボクもヨメも全く歯が立たなかった。帰途、船長はもう少し河口にサカナが寄ってくる9月10日前後が良かったとしきりに慰めてくれたが、ここで全く釣れないというのは、ボクにとってはかなりショックな第2の波乱だった。色々な失敗が重なった結果だが、一番キツかったのは、サカナまでフライが届かないというシンプルなかつ致命的な問題だった。噂通り水面から突き出たカラフトのヒレが見えるが、距離は目測で約40ヤード。新米スペイキャスターには何ともならないのである(ちなみにシングルハンドで臨んだヨメは早々に諦めモードに突入したことは言うまでもない)。

アタリは計4度あった。しかし4度ともフッキングに至らなかった。基本的にスローリトリーブに来るようだが、どうにもしっかり掛からない。言うならば、管理釣場のスレマスを相手にしているような感じである。ルアーでは釣れているから、これは合わせの技術の問題なのだが、改善しようにもいかんせんチャンスが少なすぎる…。

(遊びで白のゾンカーを流してみたら、こんなのが掛かってきた…)
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AM11:00にタイムアップ、知床半島の雄大な景色を虚ろに眺めながら30分揺られて相泊漁港に入った時、ボクは迷っていた。明日もここでやるか、忠類に行くか、カラフトは早々に見切りを付けてニジに行くか? 明日やるなら今ここで予約しなくてはいけない。
…決めた、明日は見送ろう。今日のままの状態ではあまりにもリスクが高過ぎる。

片付けを済ませ、車を羅臼へ向けて走らせる。午後は気を取り直してのんびりオショロコマでも釣ろう。
羅臼への20km程の道程で、いくつか川があるのは事前に調べてあった。が、どれも釣り上がるには規模が小さそうで、ヒグマリスクも気になっていた。念の為と、ある橋の前に車を止めて橋から渓の上流の様子を見てみると、案の定川というより沢である。ダメだな、やっぱり。標津方面まで足を伸ばそう。
…車に戻ろうとした時、ふと河口側が気に掛かった。覗いてみると想像通りだった。数人の地元の釣り人がカラフトを狙っている。無意識に川の名を調べ、河口規制対象となっていないことを確認する。…どうせまだ時間もある。もう一度狙ってみるか…。

長靴姿で浮き釣りをする地元のオヤジに混じって、チェストハイウェーダー姿でフライロッドを振り始める。このシチュエーションは何とも楽しい。30分程すると、岸に激しくぶつかる波の中から例のヒレが見えるようになってきた。しかも10数ヤードの距離。…これは行けるような気がする。ヒレが見えなくなってしまったと思ってから数投目、リトリーブするラインがひったくられるように引き込まれた。…来たっ。とうとう来た。
が、合わせを入れた瞬間、金属の上を滑るような感触を残してハリが外れていった。

…うーーん…。

釣れない時はこんなものだと思いながらも、あと一歩だったのにという気持ちがなかなか消えない。朝からのハンドリトリーブを支える右手の人差し指と中指がピリピリと痛む。お腹も空いたな…。朝から何も食べていないことをふと思い出す。…もう少しだけやるか。折角フライが間違っていないことが分かったことだし。

それから更に1時間後、とうとう知床のカラフトはボクの粘りを認めてくれた。
ドンっという衝撃とともに、ロッドがひったくられ、ファーストランに備えて緩めにドラグ設定したリールは、文字通り暴力的なスピードで逆転し始める。沖に向かって走るヤツがパッキングラインを引き出すまでまさしくあっという間だった。…これは噂以上だ。ドラグを締め、リールファイト開始。20ヤード程寄せると、2発目のラン。1発目程ではないが、それでもディスクドラグの存在を無視するような激走を見せた。

57cm。太陽光を受けて水中をキラキラと揺らした銀ピカのメスは、レインボーのようにうっすらとピンクのラインが入っていた(上掲)。…釣り始めて8時間、正直なところ、ここまでムキになってしまって釣れなかったらどうしようかと思っていたから、嬉しさもさることながらホッとした気分だった。
その1時間後、54cmのメスを追加して納竿。

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今日はもう釣りはいいや、という気分だった。9番ロッドを10時間近く振り続けたせいで、指はもとより、手首、肩ともに限界だった。羅臼に戻って、2匹をヨメさんの実家に直送。こればかりは有難がられるか迷惑がられるか微妙なところである。

明日はオショロコマの予定…。

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コメント

やったな。オメデトウ。
出張の時にいろいろ聞かせてね。

投稿 B | 2006年9月 2日 (土) 02時56分

おめでとうございます。なんとかしてしまうところに大変シンパシーを感じます。後は奥様と楽しい釣りを。

投稿 komi | 2006年9月 2日 (土) 06時00分

最後のひとあがきが正解でしたね。
おめでとうございます、あとはゆっくり奥様と釣りを楽しんでください。

投稿 板長 | 2006年9月 2日 (土) 19時53分

そうそう、我家にクール(冷蔵)で送ってくれれば、美味しい塩筋子、塩切身(塩焼、バター焼用)、ルイベのセットになってもれなく転送(冷凍)されます。

ただし、内容量は1/2になりますが(爆)。

投稿 板長 | 2006年9月 2日 (土) 23時55分

名古屋に戻ってきました。

Bさん>この釣りは季節モノとして確実にハマりまっせ。遡上前の引きは強いと聞いていましたが、何と言うかまぁ滅茶苦茶な感じです。決して粘り強くはないですが、一発目は「甲高い逆転音」とかそんなキレイな感じとは程遠く、何か出てはいけない音と振動がリールから出ている感じです(ちなみに2匹目の前に1匹バラシたんですが、そいつは1回目のダッシュの際に1Xのティペットをぶっちぎって行きました…)。来年のこの時期、うまく出張が作れたら是非行きましょう。

komiさん>かなり苦労しました…。正直言って、番屋から帰ってきたときはカラフトは諦めてましたから。結果的に何とか釣れてくれましたが、やっぱり番屋で何とかしたかったです。ま、番屋への往復の船から見える、知床半島の断崖絶壁と国後島の景色でかなり満足してしまったのも事実ですが。
釣具店オカミ大喜びのオショロコマ~西別編、追ってアップしますのでお楽しみに。

板長>今回、たまたま入った近くの商店でハラを処理し筋子に分けてクール便で送るまでの一切をやってもらえたんですが、普通だとどこまでの処理をやってどのような状態で送るべきなんでしょうか? 今後の参考にご教示くださいませ。

投稿 ミッチー(店主) | 2006年9月 3日 (日) 20時47分

おめでとうございました。
大変な御苦労の末の釣果はまた格別の喜びでしょうね。
ザッツ・サーモンフィッシング!苦労が大きい分、また喜びも大きくなるのでしょう。
来年は私も海で挑戦してみたいと思いました。

投稿 K山 | 2006年9月 4日 (月) 12時41分

K山さん>今回、サーモンに取り憑かれる人々の気持ちが少しだけ分かったような気がしました…。
船長含め地元の人達はカラフトマスを「食料」としてしか見てないようで、遡上前のものにしか興味なしといった感じでしたが(笑)、釣りとして面白いのがどちらかは微妙なところでしょうね。

ちなみに、今回スペイの有用性を肌で実感しました。モイレウシでは、スペイがなければ完全に釣りにならないところでした(写真だと分かりづらいですがここはあまりバックがとれません)。もっと練習しなくてはいけません…。

投稿 ミッチー(店主) | 2006年9月 4日 (月) 22時43分

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